トラクターの運転は難しい?操縦のコツや作業機を徹底解説

農業のためにこれからトラクターの運転を始めようと考えている方は「トラクターの運転って難しいの?」「コツってあるの?」「免許はどうなっているの?」「けん引式作業機をつけてトラクターを運転していいの?」と疑問に思うことが多いでしょう。
そこで、本記事では農業用トラクターの運転について徹底解説していきます。農作業で使用するトラクターに必要な免許から農業用トラクターの走行に関する基礎知識、耕うん時のコツ、など詳しく紹介していきますので、ぜひとも参考にしてくださいね。
初歩的なミスで事故を起こさないためにも、しっかりと予習をしてから農業用トラクターの走行を始めましょう!
目次
農業用トラクターを運転する前にまずは免許を確認しよう
まずは農作業で使用するトラクターの運転に関わる免許について解説していきます。農業用トラクターの免許についてしっかりと理解をしておかないと、無免許運転で捕まってしまい、罰金50万円以下・違反点数25点・免許取消となります。
せっかく農業を始めようにも、捕まってしまっては台無しですので、必ず免許については理解しておきましょう。
- 農業用トラクターの運転走行に必要な免許
- ・私有地の場合は免許は必要なし
・公道の場合は小型特殊自動車免許か普通免許が必要
・場合によっては大型特殊自動車免許が必要
私有地でのみ運転走行する場合は免許は必要なし
私有地で農業用トラクターを運転走行する場合は免許は必要ありません。けん引タイプの作業機がついていても私有地であれば問題ありません。ただし、駐車場など私有地の関係者以外の人が通る場所では取締されるので注意しましょう。
また畑から道路を挟んで畑に出る場合の走行でも、免許は必要になります。つまり、免許の必要が無いのは「交通の無い私有地で道路に一切出ない場合」のみになりますので、しっかり覚えておきましょう。
公道を走る場合は免許が必要
農作業でトラクターを使用目的であっても公道を走行する場合は免許が必要になりますが、必要な免許は農業で使用するトラクターや作業機よって異なります。どのような状態で、どの免許が必要になるのか詳しく見ていきましょう。
基本的には小型特殊自動車免許か普通自動車免許が必要
まず前提として覚えておきたいのが、基本的に農作業で使用するトラクターの運転走行に必要な免許は「小型特殊自動車免許」か「普通自動車免許」ということです。
小型特殊自動車とは、農業用トラクターなどの特殊な装備を持つ自動車を運転する免許です。そして、普通自動車免許を取得していれば、小型特殊自動車を運転できるため、基本的には普通自動車免許があれば農作業でトラクターを運転しても問題ありません。
また「大型自動車免許」「中型自動車免許」「準中型自動車免許」「大型特殊自動車免許」「大型二輪免許」「普通二輪免許」でも小型特殊自動車が運転できます。「原付免許」は該当しないので注意しましょう。けん引タイプでない直装タイプの作業機付きのトラクターなら小型特殊免許証で運転可能です。
場合によっては大型特殊自動車免許が必要
基本的には小型特殊自動車を運転できる免許(普通自動車免許など)があれば農作業でトラクターは運転できますが、けん引タイプ作業機を装着したトラクターなど場合によっては「大型特殊自動車免許」が必要になります。
運転するトラクターが農業機械をけん引した状態で、以下の条件を超えると大型特殊自動車免許が必要です。
- 前から後ろまでの長さが4.7m以下
- 左右の幅が1.7m以下
- 高さが2.0m以下
大型特殊自動車免許を持っていないのに、条件を超えた状態でけん引式の作業機をつけたトラクターの運転をすると、無免許運転になります。農業用トラクターを運転して公道を走行する際は必ず寸法を確認してくださいね。
農業用トラクター運転は簡単!まずは基礎知識を覚えよう
続いて、農業用トラクターの運転走行に関する基礎知識を紹介していきます。これらを理解しておくだけで、初心者に起こりやすい事故を防ぎやすくなります。
- 路上走行時はブレーキを連結
- トラックに積む際もブレーキは連結
- 圃場を出入りする際は正面から
農作業でこれからトラクターの運転走行を始める方は、しっかりと覚えておきましょう。
路上走行時はブレーキを連結
農業用トラクターには左右のブレーキがあるので、路上で走行する時はブレーキを連結させます。農作業中のトラクターの死亡事故で最も多いのが、機械の転倒や転落です。
道路に出る際に、連結を忘れてしまい、片方のブレーキだけを踏んでトラクターが転倒するという事故は過去に多く起きています。必ず路上を走行する際は、ブレーキの連結を忘れないようにしましょう。
トラックに積む際もブレーキは連結
農作業でトラックに積む際も再度ブレーキの連結を確認してください。トラックの運転と農業用トラクターの運転を交互でする際は、ブレーキの連結やシートベルトを忘れがちです。
常に心がけておきましょう。また農作業でトラックに積む際は、低速でクラッチを踏まないことを意識しましょう。積み込み後は駐車ブレーキをかけ忘れないようにしてくださいね。
圃場を出入りする際は正面から
圃場を出入りや、あぜ越えする際は正面からが基本です。必ず直角の向きで進むようにしてください。斜めの角度で走行すると、転倒する可能性が非常に高いです。
慣れてきて素早く作業しようと油断した時に、斜めに侵入して事故に発展するケースが非常に多いので、常に初心を忘れないようにしてくださいね。
農業用トラクターの基本!耕うん時の運転方法・コツを解説
続いて、農作業で必要不可欠な耕うん時の運転方法やコツを解説していきます。耕うんは何も考えずに運転走行すると、まっすぐに進まないため上手くいきません。ぜひとも以下のコツを参考に耕うんをしましょう。
- ブレーキの連結を解除
- まずは試しで耕うん
- 往復数を計算する
- ゆっくりと遠くを見ながら耕うんする
それぞれ詳しく解説していきますね。
ブレーキの連結を解除
まずはブレーキの連結を解除しましょう。また、自動機能などがあればスイッチを入れておきます。速度の目安は1~2キロで十分です。最初は速度を出さずにとにかくゆっくりを意識しましょう。
あまりにスピードが速いと土を細かく耕せませんので注意してください。
まずは試しで耕うん
まずは試しに農作業で耕うんをしてみてください。その後、耕うんの深さを確認します。一般的な深さは13~15cmなので、適切ではない場合はダイヤルやロータリーの尾輪で調節しましょう。
また、タイヤの跡がついている場合もやり直します。さらに深く耕うんするか、車速を遅くして調節しましょう。
往復数を計算する
深さが適切になったら農作業の耕うんを始めますが、耕うん前に一度往復数を計算しましょう。往復数を計算して、どの位置から始めるのかを考えることでより、先の耕うんがしやすくなります。
ゆっくりと遠くを見ながら耕うんする
スタート地点を決めたら耕うんスタートです。ゆっくりと遠くを見ながら農作業で耕うんを進めていきましょう。ハンドルを見たりすぐ下を見てしまうと、ズレやすいので注意してください。
とはいえ、ハンドルはガタガタ動くので、常に直線を意識しながら微調整してください。何も考えずに乗っているとすぐにズレてきますので、集中力をもって一直線に進めていきましょう。
最初は上手くいかないかもしれませんが、慣れていけば農作業でのトラクターの運転はどんどん上達していきます。ただし慣れた後に、油断して事故を起こしてしまうのが一番危険なので、集中力は常に持つように心がけてくださいね。
けん引式作業機を付けたトラクターは運転走行できる?
上記でトラクターの運転に必要な免許やトラクターの運転方法をご紹介しました。最後にけん引式作業機をつ
けたトラクターの運転について解説します。
けん引式作業機を装着したトラクターを運転する場合、灯火器類・車体幅・走行速度・免許を確認しなければいけません。けん引タイプの作業機はトラクターとは別の自動車とされるため、注意しなければいけないことが多いです。
けん引式作業機を付けたトラクターの公道走行は2019年に可能になったばかりなので、事前にホームページなどで詳しい情報を調べておきましょう。
まとめ
農業用トラクターの運転はけん引式の作業機がついていても基本的に小型特殊自動車を運転できる免許(普通自動車免許など)があれば可能です。条件によっては大型特殊自動車免許が必要になるので、寸法は必ず確認しておきましょう。
また農業用トラクターの運転自体は難しいと言われますが、慣れていけばどんどん上達します。本記事で紹介したコツを意識して慣れていってもらえればと思います。
ただし慣れた後に事故だけは起こさないように、気を付けてくださいね。安心安全の意識を常に持って農業用トラクターの運転に慣れていきましょう!