田植えの前に必須の代掻きのやり方|トラクターで平らに耕す方法も紹介!

目次
代搔きって何?代搔きの基本情報
今回は農作業の1つである代掻きについて徹底的に解説していきます。「代掻きってそもそも何?」「代掻きは何故行うの?」など疑問に思う方へ向けて解説していきます。
代掻きと言われる作業は、農業の中でも田んぼに対して行われる農業作業になります。そのため、畑では行われません。
代掻きは基本的に5月に行われます。田起こしで田んぼを耕した後から田植え前の間の期間で行われます。田起こしで耕した直後は、まだ水が張られていません。そのため、耕した土もまだ荒く混ざっていません。この状態のまま水を引いて田植えをしてもより良い稲はできません。
そこで田植えの前に水を張り、トラクターを使って土を耕すことで土壌をかき混ぜます。そして田んぼの表面を平ら・水平にします。これらの作業が代掻きです。この時使用される農業機械はトラクターがメインになります。
代掻きをきちんと行った後にようやく田植えができます。
代搔きを行う目的について
ここからは、代搔きを行う目的について解説していきます。
代掻きは、耕起・耕すことで土壌をかき混ぜ、田んぼを水平・平らにする作業です。
畑では、耕す作業はあっても水を張ったりする要素はありません。
そのため、畑しか農業経験のない方には少し戸惑う部分もあるかもしれません。
しかし、目的からきちんと押させておけば、畑しか農業経験のない方・農業経験のない方でも理解することができます。代掻きを行う目的は大きく4つあります。
- 代掻きを行う目的
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- 田んぼを平らにする
- 土をドロドロにして、田植えをやりやすくする
- すでに生えていた雑草をなくす
- 田んぼの水持ちを長くする
それぞれ解説していきます。
目的①田んぼを平らにする
代掻きの目的の1つ目は、田んぼを水平にする・平らにすることです。
平らにする意味は、大きく2つあります。
1つ目の平らの意味は、土をドロドロにして塊をなくすということです。これは、耕耘した際に土が水を含んでドロドロにし塊をなくせるからです。
2つ目の平らの意味は、田んぼ全体を水平にするということです。全体を見たときに、高いところと低いところの差が小さい状態が理想の状態になります。
農業機械のトラクターで田起こしや耕耘し、水平・平らにすることにより、稲の育ちのムラをなくすことが可能になります。畑での農業はこのように水を張る必要がないため、水平を気にする機会は少なかったかもしれません。そのため、水を水平に張るなどといった要素は畑にはなく、田んぼ独自の要素だと言えます。
目的②土をドロドロにして、田植えをやりやすくする
代掻きの目的の2つ目は、土をドロドロにして、田植えをやりやすくすることです。
農業機械のトラクターで耕耘・耕起して耕すことで、土が水と混ざり合うことでより細かくドロドロになります。土がドロドロになることで土の表面が軟らかくなります。
田んぼの土の表面が軟らかくなることで、苗の活着が早まります。これにより苗が抜けにくくなります。
そのため、田植え作業がやりやすくなります。
目的③すでに生えていた雑草をなくす
代掻きの目的の3つ目は、すでに生えていた雑草をなくすことです。
田植えをする前には雑草をなくす必要があります。雑草が田んぼの中にあると、うまく田植えができなかったり、苗を植えた後も苗の成長を妨げる可能性があります。
しかし、農業機械のトラクターで代掻きを行うことでドロドロに土が撹拌されます。
その過程で雑草も一緒にかき混ぜられるため、雑草を除去することができます。
雑草をなくすというのは、畑での作業とも通ずるところがありますね。ちなみに、畑を耕すのには、有機物を分解促進することで畑の状態をより良くするという目的もあります。
目的④田んぼの水持ちを長くする
代掻きの目的の4つ目は、田んぼの水持ちを長くすることです。
農業機械のトラクターで代掻きを行う中で、あぜ道に接する部分を水位よりも深く掘っておくことで田んぼが平らになりやすくなります。さらに、水漏れが防げるため、田んぼの水持ちが良くなります。
代掻きによって田んぼは平らになります。そのため、最小限の水で稲に均等に水がいきわたるようにもなります。
畑では、水はけを良くすることで畑に植えた作物の根の成長を促す為に耕起するという目的もあります。
田んぼと畑には共通する考え方、原理がありますね。
代搔きを上手く行うコツをご紹介
代掻きを上手く行うコツを紹介します。畑にはなく、田んぼ特有の農業作業である代掻き。
基本的な作業はトラクターを使用するのが一般的です。
より良い稲を育てるために良い土を作りこんでいく大切な期間でもあります。
これは、田んぼも畑も共通することですね。畑でも良い作物を作る為には良い畑・土を作りこんでいく必要があります。
そこでこれから紹介するコツを抑えて、畑同様により良い土を作りこんでいきましょう。
コツは大きく4つあります。
- 代掻きを上手く行うコツ
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- 水の量は浅めにする
- 枕地を放置せずにしっかりとつぶしておく
- トラクターで代搔きをする場合は2-4キロで行う
- 使用する肥料や除草剤は農協に相談する
それではそれぞれ解説していきます。
コツ①水の量は浅めにする
代掻きを行うときのコツの1つ目は、水の量は浅めにすることです。
これは、代掻き後の濁り水を流さないためです。代掻きは浅い水位で行いましょう。なぜ濁り水を流してはいけないかというと、水には肥料が溶け込んでいます。溶け込んだ肥料は環境汚染の原因になるからです。
畑よりも田んぼの方が環境汚染として被害が大きくなる可能性があります。それは、用水路等を肥料が流れて、他の農家さんの田んぼや畑に流れ込んでしまう可能性があるからです。畑で肥料を使う際には、土でとどまる場合がほとんどです。畑とは違うリスクがあることを再確認しておきましょう。
荒代と呼ばれる最初の代掻きは、土壌の8割が水の上に出た状態で、トラクターのロータリー等で行いましょう。その後、1㎝~2㎝の水位でトラクターのロータリー等を使用し、本代掻きと言われるものを行います。
土を耕すことで、耕耘・耕起します。
コツ②枕地を放置せずにしっかりとつぶしておく
代掻きを行うときのコツの2つ目は、枕地を放置せずに必ず潰しておきましょう。
枕地とは、四隅などにできる土の山です。トラクターは小回りがききません。そのため、枕地は必ず出来てしまいます。枕地を潰すには、トラクターのロータリーを逆回転にしてバックするのが有効です。
これらの作業を行っていると、どうしても時間がかかります。しかし、時間がかかっても
トラクターのロータリーを使用して枕地を潰しておきましょう。
枕地を潰しておかないと次のような事態になります。
- 枕地の部分が水に浸からず雑草が生える
- 枕地に生えた雑草から害虫や病気が発生する
- 枕地は凸凹を作り出すためコンバインが通れなくなる
そのため、時間をかけてもトラクターのロータリーで枕地を潰しておきましょう。
コツ③トラクターで代搔きをする場合は2-4キロで行う
代掻きを行うときのコツの3つ目は、トラクターで作業する場合は2-4キロで行うことです。
トラクターで作業する時は、速度を時速2km~4kmで行いましょう。2-4キロのスピード内から外れて代掻きを行ってしまうと、次のようなことが起こる可能性があります。
トラクターのスピードが速すぎると、土が十分に耕すことが出来ず土が砕けません。その結果、田植えの際に苗が土に刺さりにくくなってしまいます。
トラクターのスピードが遅いと、必要以上に耕すことになるため土が細かくなりすぎたり、軟らかくなりすぎます。その結果、田植えの際に苗が安定しなくなります。
また、トラクターのロータリー部分やプラウ部分の爪の回転速度も調整が必要です。最適速度は、トラクターの性能やロータリー部分のアタッチメントの種類によっても異なってきます。
そのため、取扱説明書などを参考にしてベストな速度を見つけましょう。
トラクターのスピードやロータリー部分やプラウの部分の爪の回転速度は、畑での耕耘・耕起作業にも共通して言えることです。
それぞれ、機械や田んぼ・畑の状況に応じてスピードや回転速度を調整しましょう。
コツ④使用する肥料や除草剤は農協に相談する
代掻きを行うときのコツの4つ目は、使用する肥料や除草剤は近くの農協に相談しましょう。
特に除草剤は周りの田んぼや畑への影響も考えなければなりません。必ず近くの農協に相談しましょう。相談する内容は、肥料や除草剤の適切な量と時期を相談しましょう。指示された内容をきちんと守り、肥料や除草剤を使用しましょう。
代搔きを上手く行うコツまとめ
今回は、代掻きについて紹介しました。代掻きは、農業の中でも畑ではなく田んぼ特有の作業になります。
代掻きは、耕起や耕耘することで田起こしを行います。田んぼを耕起・耕耘・耕すことでその後の作業がしやすくなります。また、土を平らにならしたり、全体を水平にすることで、より稲が育ちやすい環境を作ります。
そのためには、トラクターのロータリー部分やプラウの部分等が非常に重要になってきます。トラクターのロータリー部分やプラウの部分の点検は使用前にきちんと行っておきましょう。
ロータリー部分やプラウの部分をきちんと整備することによって、きちんと耕す・耕耘することで田起こしができます。
ロータリー部分やプラウの部分をきちんと整備することで、田んぼの土を平らにしたり、水平にすることができます。
また、代掻きをするときのポイントやコツを紹介してきました。水平になるように水を張るというのは畑にはない要素で、初めての方は少し戸惑うかもしれません。
しかし、近隣の農家さんや農協に相談し、コツを抑えて、より良い作物を作りましょう。