農機具を買い替えると補助金が貰える?農業の補助金事情から探し方まで徹底解説!

目次
- 農家が受け取れる農業の補助金・助成金について
- 農機具を買い替える際にもらえる補助金|強い農業・担い手づくり総合支援交付金
- 産地基幹施設等支援タイプ
- 先進的農業経営確立支援タイプ
- 農地を改善する際に貰える補助金
- 経営転換協力金
- 農地耕作条件改善事業
- 地域集積協力金
- 農業で更なる収益UPを狙う際に貰える補助金
- 収益性向上対策
- 生産基盤強化対策
- 新市場獲得対策
- 人を新たに雇う際に貰える農業の補助金
- 雇用就農者育成・独立支援タイプ
- 新法人設立支援タイプ
- 次世代経営者育成タイプ
- 農業関係で補助金をもらう流れをご紹介
- STEP1.補助金を調べて申請する
- STEP2.採択された事業を実施する
- STEP3.補助金を受け取る
- 新型コロナウイルスの影響を受けた場合に貰える補助金や助成金
- 農業労働力確保緊急支援事業
- まとめ
農家が受け取れる農業の補助金・助成金について
農林水産省は、日本の農業維持・発展のために多くの支援制度を用意しています。しかし、農家の方で
農家が利用できる補助金や助成金の内容を知っている人は、殆どいらっしゃらないため、実際に導入出来ていないのが現状です。
農家・農業関心者の実態・意識調査結果によると農家さんのおよそ半数以上が、農業に関する補助金・支援制度について知らなかったそうです。せっかく受け取れる補助金や助成金があっても、認知出来ていないと受け取ることは出来ません。また農家さんの中には、申請の手続きが複雑で途中でやめてしまったという方もいらっしゃるようです。
そこで今回は、農家さんが受け取れる補助金や助成金について、徹底解説していきます!
農機具を買い替える際にもらえる補助金|強い農業・担い手づくり総合支援交付金
まずは、「強い農業・担い手作り総合支援交付金」についてです。
強い農業・担い手作り総合支援交付金は、農機具を買い換える際にもらえる補助金になります。
農機具を買い換える際にもらえる補助金、つまり強い農業・担い手づくり総合支援交付金は大きく分けて
3タイプあります。そのタイプは次の3つです。
- 農機具を買い換える際にもらえる補助金一覧
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- 産地基幹施設等支援タイプ
- 地域担い手育成支援タイプ
- 先進的農業経営確立支援タイプ
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
産地基幹施設等支援タイプ
こちらの産地基幹施設等支援タイプは、中心的な役割の農業者団体等による産地基幹施設の導入や卸売り市場施設、産地や消費地での共同配送に必要なものを支援してくれます。対象となる施設は箱ものの施設になります。補助率は1/2までとなっています。要件として、受益農業従事者が5名以上であること、面積要件を満たすこと、総事業費が5,000万円以上である事などが挙げられています。動く額としてはかなり高額のものになります。その為、先ほどに該当する設備を建てる際には是非とも導入したい補助金です。
先進的農業経営確立支援タイプ
広域・広い農地を展開する農家さんや農業法人に必要な農業用機械や施設の導入を支援する補助金です。
より経営を高度にするために必要な農業機械や施設の導入に対し認められる補助金です。対象となるのは耐用年数5年~20年の農業機械・施設、補助率は事業費の3/10以内となっています。また上限額は個人か法人であるかで異なります。個人の場合は1,000万円、法人は1,500万円と上限額が定められています。
農地を改善する際に貰える補助金
ここからは、「農業機械の導入や施設ではなく、農地の改善に関係する補助金のことが知りたい」という方向けに
農地を改善する際にもらえる補助金について解説していきます。こちらの補助金も主に3種類あります。
- 農地を改善する際に貰える補助金一覧
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- 経営転換協力金
- 農地耕作条件改善事業
- 地域集積協力金
それぞれについて詳しく解説していきます。
経営転換協力金
こちらの協力金は「農業をリタイアするため農地を貸したい」「米と野菜を作っているけど、野菜に特化したい」などの方に向けた補助金になります。対象者は主に農業部門の現状により経営転換する農業者、リタイアする農業者、農地の相続人で農業経営を行わない方になります。交付金の単価は、2021年度現在の交付単価は1.5万円/10aとなっており、上限額は50万円/1⼾となっています。交付要件として、農地バンクに対し、全ての農地を10年以上貸し付ける必要があります。その為、交付する際には先々を見据えてよく考えた上で相談をしていきましょう。
農地耕作条件改善事業
こちらの協力金は、農地耕作条件改善事業の実施地区において、 農家さんの負担が軽減されるものになります。
特に農地整備費の負担が軽減されるものになります。交付率は、担い手の農地集約化率によって変化しますが
最大で12.5%が整備費に対して適用されます。主な交付要件として以下の3つを満たす必要があります。
- 対象農地が基盤整備済み地区に内在⼜は隣接し、地域内で合計10ha(中⼭間︓5ha)未満であること
- 対象農地の全てが、農地バンクに15年以上貸し付けられており、⽬標年度までに担い⼿に集積されること
- 対象農地を含む地域において、⼈・農地プランの⾒直し(実質化)を⾏うこと
要件はかなり厳しいものになるので、自分の要望に沿って要件を満たせる方にはおすすめです。
地域集積協力金
こちらの協力金は、地域の皆さんで話し合って地域の農地をまとめて 農地バンクに貸し付けると交付されるものになります。地域集積協力金の中でも更に2つのタイプに分かれます。
- 集積・集約化タイプ
- 集約化タイプ
集積・集約化タイプの交付要件は交付対象面積の1割以上が新たに担い手に集積される必要があります。イメージとしては、高齢化により農地を手放したいと考える所有者が増加し、「農地を遊休化させてしまう」と考えた担い手が、町担当者や 農地の出し⼿に地区の農地を集積することを提案し、農地バンクを活⽤して担い⼿への農地集積と集約化に結びつける、といった取り組みのイメージになります。
集約化タイプの交付要件は、次の2つのいずれかの要件を満たす必要があります。
- 集約化タイプの交付要件
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- 地域の農地面積に占める担い手の1ha以上(中⼭間地及び樹園地は0.5ha以上、北海道は 6ha以上)の団地⾯積の割合が20ポイント以上増加
- 既に担い⼿の1ha以上の団地⾯積の割合が40%以上の地域において、担い⼿の1団地当 たりの平均⾯積が1.5倍以上に増加
こちらの集約化タイプのイメージとしては、耕作条件が良く、担い⼿が競合して農地集積を進めてきたため、市の担当者が農地交換による集約化を担い⼿に提案し、農地バンクを活⽤して分散錯圃の解消に結びつける、といった取り組みのイメージとなります。
農業で更なる収益UPを狙う際に貰える補助金
次に農業で更なる収益UPを習う際に農家さんが、貰える補助金について解説していきます。「補助金が貰えるならもらっておきたい」と考える方がほとんどですよね。こちらの項目ではそんな方向けに解説していきます。
農業で更なる収益UPを狙う際に貰える補助金は主に3つあります。
- 収益性向上対策
- 生産基盤強化対策
- 新市場獲得対策
それぞれについて解説していきます。
収益性向上対策
こちらは、収益力の強化を目指して計画を立て、実現に取り組む農業者に対して交付される補助金になります。具体的には、必要な農業機械の導入や集出荷施設等の整備にかかるコストを支援してくれる補助金の制度になります。支援の対象となる方は、地域農業再生協議会が作成する「産地パワーアップ計画(収益性向上タイプ)」に参加する農業者や、農業協同組合などの農業者団体が対象になります。補助率は、整備事業で1/2以内、生産支援事業の農業機械リース導入・取得で本体価格の1/2以内とされています。
生産基盤強化対策
こちらの補助金は生産基盤の強化や継承・全国的な土づくりの展開を目的とした活動を支援してくれるのが生産基盤強化対策という制度になります。例えば、農業用ハウスや果樹園・茶園等の再整備や改修、農業機械のリース導入・取得等の取り組みを支援してくれる制度になります。「産地パワーアップ計画(生産基盤強化タイプ)」に参加する農業者や、農業協同組合などの農業者団体が対象になります。補助率は、農業用ハウスの再整備・改修では1/2以内の補助率となっています。
新市場獲得対策
こちらの補助金は、新市場の格となる拠点事業者の育成や、食品関連事業者などの拠点事業者と連携することによる農業者の生産体制・出荷体制の強化を目的としています。具体的には、施設整備等の費用を助成してくれるものになります。ハード面とソフト面の両面とも支援の対象となっています。例えば、ハード面では国産冷凍野菜向け加工施設の整備、ソフト面では生育予測システムの導入等の取り組みが対象となっています。支援対象者は共同事業計画に位置づけられた拠点事業者やその連携者になります。補助率は、ハード面で1/2以内、ソフト面でも1/2以内となっています。
人を新たに雇う際に貰える農業の補助金
新規就農者を増やしたいという農家さんや農業法人を支援する制度が「農の雇用事業」です。
内容は、3つに分けられますが全て新規就農者に対して、実施する内容となっております。
- 農の雇用事業の支援制度
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- 雇用就農者育成・独立支援タイプ
- 新法人設立支援タイプ
- 次世代経営者育成タイプ
それでは、1つずつ支援制度の内容を詳しく解説していきます。
雇用就農者育成・独立支援タイプ
雇用就農者育成・独立支援タイプは就農者の生産技術や出荷、販売のノウハウを取得するために実施する研修を支援する制度です。
年間最大120万円の補助金を受け取ることができ、期間は最長で2年間となっています。雇用就農者は年齢が50歳以下である必要があり、社会保険の加入や、5年以上の農業経験も併せて必要な条件になります。
新法人設立支援タイプ
新法人設立支援タイプは、新たに農業法人の設立や経営を継承し、法人化を目指す就農者に向けて実施する研修を支援する制度です。
年間で最大120万円の補助金を受け取ることができ、期間は最長で4年間となっています。3~4年目は受け取れる金額が最大で60万円に下がるので、注意が必要です。
次世代経営者育成タイプ
次世代経営者育成タイプは、就農者を次世代の経営者として育成するための研修を支援する制度です。就農者を先進的な農業法人や異業種法人へ派遣を実施する
費用として受け取ることが出来ます。月に最大10万円の補助金が交付され、期間は最長で2年間となっています。派遣する就農者は、家族経営の後継者といったように
経営に関わる人物で原則55歳未満でないといけません。
農業関係で補助金をもらう流れをご紹介
「補助金の種類と内容は分かったけれど、どうやって貰えば良いのか?」
そう考えた方も多いのではないでしょうか。ここからは、農業関係で補助金をもらう流れを紹介していきます。
農業関係で補助金をもらう流れは主に3STEPです。
- 補助金を調べて申請する
- 採択された事業を実施する
- 補助金を受け取る
それではSTEP毎に詳しく解説していきます。
STEP1.補助金を調べて申請する
まずは、自分が貰える補助金を調べましょう。今回の記事で紹介したような補助金の中で自分でも要件を満たせるものを探しましょう。要件が全て当てはまるものは無いかもしれませんが、無理のない範囲で適用できるように動いていきましょう。
STEP2.採択された事業を実施する
続いて、貰える補助金の要件を満たす形で、採択された事業を実施しましょう。個人の方は特に、農業団体等としっかりとコミュニケーションをとることで事業をよりスムーズに実施することが可能になります。
STEP3.補助金を受け取る
要件を満たし、完了すると補助金を受け取ることができます。補助金が支給される日程は補助金の制度等によって異なる場合があります。その為、支給される日程等をしっかりと確認しておきましょう。
新型コロナウイルスの影響を受けた場合に貰える補助金や助成金
新型コロナウイルスの影響を受けた農家が利用できる補助金や助成金もあります。
主な補助金や助成金をこちらでは紹介します。
- コロナウイルスの影響を受けた場合に貰える補助金や助成金
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- 農業労働力確保緊急支援事業
- 持続化給付金
- 働き方改革推進支援助成金
- 高収益作物自喜作支援交付金
- 国産農林水産物等販売促進緊急対策
今回は、農業労働力確保緊急支援事業について解説していきます。
農業労働力確保緊急支援事業
こちらは農業従事者などの即戦力人材や学生などの多様な人材の就農に必要な活動費や研修に必要な設備の導入を支援する制度になります。人手不足となった農業経営団体において援農する際の活動費を支援します。
他にも、新型コロナウィルスの影響を受けた農家さんが利用できる補助金・助成金の制度があります。ご自身の状況や事業内容に応じて調べてみましょう。また、制度自体の期限や条件が随時変更される可能性があります。
その為、事前に調査をして補助金をもらうようにしましょう。
まとめ
今回の記事でみなさんの状況別で貰える補助金を解説してきました。補助金を貰う上で重要なポイントとして、まずは要件をきちんと満たせるかどうかです。この要件は事業を開始する時期や申請するタイミングによって内容が変わってくる可能性が高い為、随時補助金については調べて、団体としっかりとコミュニケーションをとることが重要になります。補助金は正しく利用し、自身の農業へどんどん活かしていきましょう。