農機具用バッテリーと自動車用バッテリーの違いを徹底解説!

目次
農機具用バッテリーの特徴
今回は、農機具用バッテリーの特徴について解説していきます「農機具用のバッテリーについて詳しく知りたい」「農機具用のバッテリーをなるべく長く使いたい」そう思われている方へ向けて農機具バッテリーについて解説していきます。
農機具用バッテリーに必要な性能
まず、農機具用バッテリーに必要な性能を解説していきます。農機具用のバッテリーに必要な性能は条件として主に3つあります。
- 農機具用のバッテリーに必要な性能
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- ディーゼルエンジンに対応していること
- 農機具の性能に合わせバッテリーの容量が大きいこと
- 振動に強い
農機具の燃料は基本的にディーゼルが多いです。そのため、ディーゼルエンジンに対応しているバッテリーでないといけません。
また、農機具は走行以外にも器具を動かしたりと、使用する電力が多いです。農機具の性能や種類に合ったバッテリーの容量でないと、農機具自体を動かすことが難しくなってしまいます。そのため、農機具の性能にあった容量の大きいバッテリーが必要です。
そして、農機具用のバッテリーは振動に強く設計されています。農地は基本的に足場が悪く、振動が大きくなりやすいです。そんな過酷な環境でも耐えられるようにバッテリーも振動に強いように設計されています。
自動車用バッテリーの特徴
バッテリーと言われると自動車用バッテリーが思い浮かびますよね。自動車用のバッテリーの特徴は、走行用バッテリーと補機バッテリーの2つがあるということです。それぞれ、最近の自動車では必要不可欠なバッテリーとなっています。
走行用バッテリーは、主にハイブリッドカーで使用されます。その名前の通り、自動車が走行するためのバッテリーとして非常に重要な役割を担っています。この走行用バッテリーの性能がハイブリッドカーの性能を表しているといっても過言ではありません。
補機バッテリーは昔から馴染みのあるものです。ヘッドライトなどのランプ類、エンジンのスタート、ワイパーなどに電力を供給するバッテリーになります。こちらも車を動かすには必要不可欠なバッテリーです。
自動車用のバッテリーも自動車を使用するために、必要不可欠な役割を担っている非常に重要な部品です。
農機具用バッテリーと自動車用バッテリーの違い
ここまでは、農機具用バッテリーと自動車用バッテリーのそれぞれの性能を解説してきました。ここからは、農機具用バッテリーと自動車用バッテリーの違いについて、比較をしながら解説していきます。大きな違いは次のようになります。
- 農機具用バッテリーと自動車用バッテリーの違い
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- 農機具用バッテリーは振動に強い
- 農機具用バッテリーは土や埃で目詰まりしにくい
- 液減りが少ない
農機具用バッテリーは振動に強い設計になっています。先ほども説明したように、農地は平坦でないことがほとんどのため、振動に強い設計になっています。
また、農機具用バッテリーは土や埃で目詰まりしにくい設計になっています。農機具は自動車に比べて土や埃が多い環境での作業が非常に多いです。そのため、農機具のバッテリーは自動車のバッテリーに比べて土や埃が多い環境でも非常に強い設計になっています。
他にも農機具のバッテリーは自動車用のバッテリーに比べて、液減りが少ないという違いがあります。その理由は、農閑期の自己放電や減液の少ないカルシウム合金で設計されているためです。より農機具の特性にあったバッテリーになっています。
昭和では農機具用・自動車用別々にバッテリーが売られていた
昭和では農機具用・自動車用別々にバッテリーが売られていました。先ほども説明したように、農機具用と自動車用のバッテリーは用途に合わせて、設計が少しずつ違ってきます。そのため、昭和では、農機具用のバッテリーと自動車用のバッテリーは別々に売られていました。
農機具用バッテリーを自動車に使っても大丈夫?
「農機具用バッテリーは自動車にも使っても大丈夫なのか?」そう考える方もいると思います。結論から言うと、農機具用バッテリーは自動車にも使えます。
しかし、容量が規定よりも少ない場合は基本的に使用できません。また、使えるとは言っても本来の指定されているバッテリーでは無いため様々な悪影響が出てくる可能性もあります。
もし、農機具用バッテリーを自動車に使用したい場合は自動車専門の業者に相談し、リスクを確認した上で使用するようにしましょう。
バッテリーの種類をご紹介
今までは、農機具用バッテリーと自動車用バッテリーの違いについて解説してきました。ここからは、さらに詳しくバッテリーの種類と特徴について解説していきます。
今回紹介するバッテリーの種類は次の3つです。
- 開放型バッテリー
- 半密閉型バッテリー
- 完全密閉型バッテリー
それでは詳しく解説していきます。
①開放型バッテリー
開放型バッテリーは電解液の補水が必要です。なぜなら、バッテリー自体の密封性が低いため電解液が無くなりやすい構造になっています。
充電時に内部で発生したガスは、液口栓の上面にある排気口から抜けるようになっています。
開放型バッテリーのメリットは、急速充電が可能です。また、価格も安いです。
②半密閉型バッテリー
半密閉型バッテリーは基本的に電解液の補給はしなくても良いとされています。なぜかというと、密封性の高い構造なので電解液が無くなりづらい為です。
充電時に内部で発生したガスは、還元され水に戻るようになっています。しかし、僅かに排気口から抜けていきます。
半密閉型バッテリーのメリットは、対振動性、高温耐久性が増しています。また、自己放電も長期保存が可能になっています。
③完全密閉型バッテリー
完全密閉型バッテリーも半密閉型バッテリーと一緒で電解液の補水は必要ありません。主に小型電源用に多く使われます。
基本的にガスなどは発生しません。なぜかというと、電極板やセパレータに電解液を染み込ませたり、電解液をゲル化しているためです。
完全密閉型バッテリーのメリットは、バッテリーを横置きしても液漏れすることがありません。また、メンテナンスも基本的には必要ありません。
農業用バッテリーは定期的にメンテナンスをしよう
農業用バッテリーは定期的にメンテナンスを行うことが非常に重要です。
なぜかというと、バッテリーは基本的に消耗していくものだからです。
バッテリーはいずれ交換が必要になってきますが、メンテナンスを行うことでバッテリーを長持ちさせることが可能になるためです。
そのため、ここからは農業用バッテリーの定期的なメンテナンス方法について解説していきます。農業用バッテリーの定期的なメンテナンス方法は主に次の4つになります。
- 農業用バッテリーの定期的なメンテナンス方法
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- 充電状態を点検する
- 液量のチェック
- 端子部の劣化点検
- バッテリーを固定している金具の点検
それでは、それぞれ解説していきます。
1.充電状態を点検する
まずは、バッテリーの充電状態を点検しましょう。基本的に3ヶ月に1回程度は定期的な補充電を行うのが良いとされています。なぜなら、バッテリーは使用していなくても保管しているだけで放電してしまうためです。
そのため、補充電の期間は農機具を購入した店舗に予め確認しておきましょう。バッテリーの種類や状態によって放電量が変化するので、自分が使用しているバッテリーについて農機具業者に確認しましょう。
2.液量のチェック
次に液量のチェックを行います。こちらは、外観から目視点検で行います。液が減っていた場合には、電解液を補充しましょう。
農機具のバッテリーは使用頻度が少ないため自動車に比べて液の減りが遅い場合が多いです。しかし、放置しすぎてしまい液が大幅に減って、内部の端子が酸化してバッテリーの寿命が短くなってしまった、というケースもあります。バッテリーの液量はこまめにチェックを行いましょう。
3.端子部の劣化点検
端子部の劣化点検を行います。こちらも液量のチェックと一緒で外観から目視点検で行います。主に、錆の状態と端子の緩みを確認します。
端子が錆びている時は、ブラシなどで錆びてしまった部分をこすり取りましょう。錆が取れたら、錆予防処理を行います。端子にスプレーグリスを吹きかけましょう。
端子の緩みが無いかを確認しましょう。締めが弱い場合は、増す締めを行いましょう。エンジントラブルは、端子の緩みが原因で発生することがあります。
4.バッテリーを固定している金具の点検
バッテリーを固定している金具の点検を行います。バッテリーを固定している金具が緩んでいないか確認しましょう。緩んでいた場合には、バッテリーを適正な位置に戻っていることを確認し、工具で締めましょう。
バッテリーを固定している金具に不具合があると、バッテリーに余分な振動がかかり劣化が早まるケースがあります。
知らないうちに緩んでいた、ということの無いように定期的に確認しておきましょう。
まとめ
農機具用バッテリーの特徴は、ディーゼルエンジンに対応しているものが多いです。それ以外にも農機具の作業環境に適しているものが多いです。例えば、振動に強い、土や埃などの過酷な環境でも耐えられるようになっています。
農機具用のバッテリーは、自動車のバッテリーとしても使用できる場合もありますが、基本的にはお勧めできません。農機具のバッテリーを自動車に転用する場合は必ず専門業者に確認し、リスクを知った上で使用しましょう。
また、農機具用バッテリーには定期的なメンテナンスが重要です。定期的な補充電はもちろん、端子の錆び取りや緩みの点検などを行いましょう。
バッテリーは農機具に必要不可欠な部品です。バッテリーの寿命を長く持たせるようにしましょう。